横田建設二代目より皆様へ
こんにちは、横田裕介です。
2013年12月、急逝した創業者であり父である横田稔の遺志を継ぎ、社長に就任いたしました。
父を知る人から必ず言われるのが「お父さんと似てないね」という言葉。
そう、私と父は外見も性格も正反対。
父はコワモテ私はおっとり…誰からもそう言われますし、自分でもそう思います。
でも良いものづくりがしたいという思いの強さだけは、父にも負けないつもりです。
駆け出し社長の所信表明に、どうか少しの間おつきあいください。
二番打者の使命は“つなぐ”こと
いずれ二代目として会社を継ぐことは、以前から覚悟していました。その時期は私の予想よりも少し早まってしまいましたが、そうなった以上はお客様に余計なご心配をかけないように全力を尽くす所存です。
当たり前のことですが、家づくりは建てて終わりではありません。建てる時にはもちろん後々のことを考えて、メンテナンスが楽で長持ちする建物をめざすのですが、適切な時期に適切なお手入れをすることでさらに建物の寿命は長くなり、快適性も保たれます。つまり、お客様の大切なお住まいを、しっかりと見守りケアすることが、私たちハウスビルダーの重要な使命。そのためには、世の中の経済状況の浮き沈みに左右されない、しっかりとした基礎体力を会社につけることが肝心だと考えています。先代も会社を大きくしようとはこれっぽっちも考えていませんでした。私もそれに倣い、堅実に、地道に歩んで行きたいと考えています。
喜んでいただくことの意味
私はかつてイタリアで料理修業をし、シェフとして働いていました。美味しい食事をつくることも、いい家をつくることも、お客様の喜ぶ顔を見たいという動機の上では同じだと思っています。
そして重ねて思うのが、変わらずに在り続けることの大切さです。料理の世界でも名店と言われる店の“あの味”を、人生の大切な思い出としている人たちが大勢おられます。そういう人たちにとって、同じ場所に店があり続けること、そして同じ料理を出し続けていること自体が喜びになるのではないでしょうか。
家づくりも同じで、「横田建設にいい家を建ててもらった」と思って下さっているお客様が、どこかで横田建設の評判を聞いた時に、「あの会社はいい仕事をするよ」と言われていたら、やはり嬉しくなるのではないでしょうか。私はそういう会社をめざしたいと思いますし、そうなるためにはただ守りに徹するのはなく、時に変化を恐れず、時代の要望に応えるためのチャレンジも必要だと思っています。『継続は力なり』という言葉の意味を、いま改めて自らに問い直しているところです。
質の良いものをお届けしたい
父の生前に、銀座でオーダーメイドスーツの店を経営しておられるお客様とのご縁をいただきました。「俺はもうスーツは要らないから、お前つくっていただきなさい」と父に言われ、少々腰が引けながらも(何しろ銀座のテーラーですから!)お店を訪ねた私は、そこで大変貴重な体験をさせていただきました。
恥ずかしながら、それまでは既製品しか買ったことがなく、少々丈が長かったり、肩が窮屈だったりしても、服に自分を合わせるものだくらいにしか考えていませんでした。しかしこのお店に行って初めて、人の身体を美しく見せるための服作りというものがあるのだということを知ったのです。そこで作ったスーツは、私の身体にぴったりとフィットしているにもかかわらず、軽くて動きやすく、しかも気持ちに張りを与えてくれる一着でした。そしてその時、“これって家づくりと同じじゃないか”ということに気付いたのです。
横田建設がめざしてきたのは、お客様の気持ちやライフスタイルに合わせて一から創り上げていく家づくり。それにもかかわらず、上質のものを身に付けることはただの贅沢くらいにしか考えてこなかった自分の幼さが恥ずかしくなりました。良いものには、一つ一つ意味があり、それだけの価値がある。それを頭ではなく実感として学ぶ機会を、もっと積極的に増やしていきたいと思っています。果たして父はこうなることを予測していたのでしょうか。今は父から息子への粋なプレゼントだと思いたいです。
支えてくれる仲間とともに
おっとりした二代目社長が何とかやれているのも、頼もしいスタッフのおかげであることは間違いありません。少人数ですが一人何役もこなす猛者揃い。しかもチームワークは抜群です。みんなが思う存分力を発揮できて、お客様の喜びを何よりの糧とできるような環境をつくれるよう、私も精一杯努力していこうと思います。スタッフが楽しく、いきいきしていなくては、お客様を笑顔にはできませんから。
何があろうと変わらないのは“横田建設はものづくりの会社である”ということです。良いものづくりをするために、スタッフ一同精励して参ります。どうかみなさま、今後とも横田建設をよろしくお願い申し上げます。
株式会社横田建設
代表取締役社長 横田 裕介