伊藤 まゆみ 自己紹介へ

大工の後継者不足に今後の住宅業界を憂う

今、昔ながらの「木造軸組住宅」を施工できる職人さんは世の中にどのくらいいるのだろうか、大工だけでなく左官職人、建具職人など 着実に高齢化が進んでいるように思う。

職人は、だいたいが口下手な親方がいて、叱られることがあっても褒められることがほとんどなく一人前になるまでに時間がかかるもの。ただそうやって技術が伝えられて今日があるわけで。。

親方クラスが今後いなくなると若手への伝承が途切れてしまうことになりかねないと住宅にかかわる者として私は非常に危機感を抱いています

 

わが社のような外断熱で高気密な木造住宅を施工する場合は、何より現場の大工の施工精度が大事。隙間が無いように断熱ラインが途切れないように。。。

そうしないと“涼温換気”がうまく働かなくなります。横田建設の家がC値において自慢できるのは、大工の施工あってこそ、です

施工精度は工場では作れないもの、現場での繊細で丁寧な仕事のたまものだと言えます

 

日本の手すき和紙技術が“ユネスコ無形文化遺産“に登録されたように、優れた大工の技術が後世に受け継がれ『メイドインジャパンの大工技術』として やがて世界中から『DAIKU』と呼ばれるような。。

大それた夢ですが、そのために今私ができることは、優れた技術の丁寧な仕事によって住み心地のいい家を造っているいることを、きちんと伝えること。まずはそこから

今日の朝日新聞be版 佐藤可士和さんのコラム『日本ブランドの価値』の中で自分たちがどんな価値を提供できるのか、外に向けて発信できなければ消費者から選ばれない時代である。“伝わらないものは存在しないのと同じ”

という一文を読み、我々が家づくりについてまだまだ発信不足であること、そしてこれからの住宅業界における職人の後継者不足のことを憂いました。

まだ、間に合うはず。